代々皇女が住職をつとめた清楚な佇まいを今に伝える尼門跡寺院「霊鑑寺」。
秋の特別拝観が11月20日(水)~12月1日(日)の12日間、開催されます。今回は特に、雪舟、円山応挙、狩野探幽等の狩野派の掛け軸約20点が一挙初公開となります。
※今回取材・内覧のため特別に許可を取って撮影しています。
霊鑑寺は、正式には「円成山霊鑑寺」といい、臨済宗南禅寺派の尼門跡寺院です。承応3年(1654)、後水尾天皇が「円成山霊鑑寺」の山号と寺号を勅許し、同時に皇女浄法身院宮宗澄(じょうほっしんいんのみやそうちょう)を得度・入寺させたことによって始まり、以来明治維新まで5人の皇女・皇孫が入寺することとなり、「霊鑑寺尼門跡」と称し、また所在する地より「鹿ヶ谷比丘尼御所」や「谷の御所」と呼ばれています。
現在の本堂は、寛政6年(1795)に11代将軍徳川家斉の寄進によって建立されたものです。
本堂に安置されている如意輪観音像は、恵心僧都の作で、もと霊鑑寺より東の山中にあった如意寺の本尊であると伝えられています。
如意寺は、平安時代初期の承和年間に智証大師円珍によって創建された寺院であると伝えられ、南北朝の戦乱により焼失し、以来荒廃・廃絶していたものを、後水尾天皇がある夜霊夢によって感得して、この像を本尊として霊鑑寺を創建されたものと伝えられます。
創建当初の霊鑑寺は、本堂などの建造物は現在の南隣にありましたが、貞享3年(1686)に後西天皇の皇女普賢院宮宋栄(ふげんいんのみやそうえい)(同寺2世)の時、後西天皇の院御所旧殿のうち御休息所及び御番所を賜って現在地に移建されたのが、現在の書院と玄関です。
後西天皇の院御所旧殿をはじめとするこれらの建造物は、江戸時代の尼門跡らしく、格調の高さを示すとともに清楚な佇まいを見せていて、それぞれ京都市の文化財に指定されています。
〚庭園〛
庭園は、東山連峰の大文字山より延びる稜線をうまく使って書院の南に作られていて、池を細くうがち、立石を使った石組みを配したもので、江戸時代中期の作庭技法を用いた池泉鑑賞式庭園です。特に石組にあわせて般若寺型灯籠を立て、石組と石灯籠の調和を巧みに用いていて、この時代の特徴をよく表しています。
庭内には後水尾天皇遺愛の日光椿をはじめ、数々の名椿が植えられていて、秋は京都の名木の一つで京都一大きい楓が紅葉し彩りを添えます。
特別展(別途拝観料要)
書院展示
【拝観概要】
拝観機関:2024年11月20日(水)~12月1日(日)
拝観時間:10:00~16:30(最終入場 16:00)
拝観箇所:庭園・書院・本堂(本堂内にあがることはできません)・蔵
拝 観 料:大人 800円 小学生 400円(幼児無料)
団体(15名以上) 大人 720円 小学生 400円
特別展料金:別途500円
アクセス
「京都駅前」や京阪本線「三条」駅から市バス5系統「真如堂前」「錦林車庫前」下車、徒歩7分
市バス32系統「上宮ノ前町」下車、徒歩約5分
自家用車や大型バス」の駐車場はございません。
霊鑑寺:075-771-4040
公式ページ:https://kyoto-connect.co.jp/reikanji_autumn/
※今回取材・内覧のため特別に許可を取って撮影しています。