江戸時代から続く最大最古のいけばな展『旧七夕会池坊(きゅうたなばたえいけのぼう)全国華道展』が、今年も「花いのちみらい」をテーマに、以下の日程で開催されます。
11月13日(水)~18日(月) 大丸京都店 6階 大丸ミュージアム
11月15日(金)~18日(月) 華道家元池坊
本日は、大丸京都店 大丸ミュージアム会場へ、池坊専永家元、池坊専好次期家元のいけこみ取材をいたしました。
旧七夕会 池坊全国華道会とは、江戸時代の古くから続く伝統行事です。
平安時代以降、宮廷では七夕の日に様々な行事が催され、その一つとして花が立てられていました。江戸時代初期には後水尾天皇が宮中で大立花会を開催し、当時の家元の三十二世池坊専好(二代)が召され、立花の指導をしていました。その後、後水尾天皇から特別に許しを得て、池坊で七夕立花会を催すことになり、江戸時代、京洛の有名な年中行事になりました。何年から始まったのは現在のところ定かではありませんが、戦時中などでも規模は縮小されたものの開催され、七夕会池坊が始まって以来、一度も途切れることなく綿々と続く行事です。池坊では最大最古の花展として、現代もその伝統を受け継いでいます。
大丸京都店会場では、池坊専永家元、池坊専好次期家元が大作いけばなを披露。池坊専宗青年部代表と青年部、池坊中央研修学院 教授陣の生け花も活けられ、明日13日の開幕に供えられていました。
池坊会場では、家元、次期家元、池坊美佳審議役、青年部代表なども展示され、全国各地の華道家による約900点のいけばな作品が展示されます。
池坊専永家元の作品
梅、松、ホトトギス、ケムリソウ、オウゴンヒイラギ
池坊専永第四十五世家元
「いけばなは残るものでないので、伝えるのがむつかしいです。だからこそ、技と心をもって生けます。」
※注:写真は開催前のため、まだシートが残っています。
心眼
いけばなは、目に映るものは色や形である。
それなのに、このいけばなには 色がない。そう見えるかもしれない。
それは肉体の一器官としての目だけで見ているからである。
目をつむり、自分の記憶や感性を動員して心の眼を開いてほしい。
樹相には生きてきた痕跡や意志など、生命の本質が現れているはずだ。
人に それぞれの相があり、そこに鮮やかな人生が現れるのと同じである。
心の眼を開く準備はできただろうか。
池坊専好次期家元の作品
ミモザアカシア、ハイブッリットスパーチス、オンジシウム
池坊専好次期家元
「あるがまま、花の本質のようなものが伝わればいいと思います。年齢にあわせて感じ方も違うと思いますが、生命の循環を感じていただき、双方向でこちらからのメッセージを感じて欲しいと思います。」
青年部作品
山科から届けられた枝を使用。
屛風を表現しています。秋の花々に彩られ、秋風が吹く様です。
池坊専宗青年部代表
「色んな人と関わることで花を培っていく。そういうので、共同でするのが囲いこみです。ありのままの花を、その時その時花のありのままをみて、優しく花を自然体に生ける。」
池坊中央研修学院 教授陣の生け花の一部