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特別陳列「聖武天皇の大嘗祭木簡」が開催 奈良国立博物館なら仏像館

 

今年2024年(令和6年)は、聖武天皇が平城京で即位してちょうど1300年に当たります。そして、今年2月、奇しくも奈良文化財研究所の発掘調査で聖武天皇の大嘗祭に関わる木簡が出土しました。

10月22日(火)より12月8日(日)、奈良文化財研究所・平城京跡資料館では「聖武天皇が即位したとき。」が開催されています。

奈良国立博物館においても、10月26日(土)~11月11日(月)「第76回  正倉院展」が開催されますが、それに合わせて、できるだけ多くの方々に出土した木簡をご覧いただきたいと、奈良国立博物館なら仏像館において同時に特別陳列「聖武天皇の大嘗祭木簡」が10月22日(火)~11月11日(月)に開催されます。これまで古代に移籍から出土した木簡を見たことない方も、聖武天皇の大嘗祭に関連する木簡群を、聖武天皇ゆかりの「正倉院展」とともにぜひこの機会に観覧してみてください。

 

 

 

 

 

「郡村社郷高負里大嘗分」

 

 

大嘗分の文字がみえる木簡

 

「村社(むらこそ)郷」は『吾妻鏡』など中世史料に村社郷がみえ、新見庄比定地の対岸、高梁川左岸(現在の新見市の西部)に比定される。「高負里」は、郷里制下のコザトで、室町時代の史料にみえる高生村がその遺称地にあたるか(竹田家文書)。平安時代中期までに廃止された古代の郷名が知られる点でも貴重。

 

 

 

「佐波郡大嘗贄押年魚千百十隻」

 

佐波郡から大嘗祭に用いる贄の押年魚を納めた木簡

 

「大嘗贄」と記した現在のところ唯一の木簡。「押年魚(鮎)」は、塩押し、または塩漬けにした鮎。隻は、鳥類、魚類、植物のウリ、船などを数える単位。「佐波郡」は、『和名抄』には周防国(今の山口県東部)にみえ、周防国佐波郡であるとすると、古代の郡城は、現在の防府市の大部分と山口市の一部、周南市の一部にあたる。

 

 

 

 

「神亀元年八月廿二日」

 

神亀元年の紀年木簡

 

神亀元年は724年。

裏面「五連和五百嶋」

連は、鉄・鍬・綿・海藻・堅魚・鰒などを数える単位として用いられる。和五百嶋(やまとのいおしま)は、貢納者か、あるいは納入の責任者か。完形の木簡で、物品は自明のものであったために記されなかった可能性がある。あるいは、国郡郷里名を記した定型型な荷札を付すことなく、都へ送られたものか。

 

※上の木簡は展示の一部です。

 

 

【聖武天皇】

 701~756(大宝1‐天平勝宝8)、第45代天皇。在位は724~749。文武天皇の第1皇子で、母は藤原宮子。藤原不比等の娘光明子を皇后とし、皇族から立后する慣習をはじめて変更しました。

聖武天皇は、唐から先進的な文化や技術を取り入れ、華やかな天平文化を築きました。しかし、その治世は苦難に満ちていました。

 聖武天皇は多くの困難を乗り越えるために、仏教を篤く信仰し、各地の国分寺や東大寺を建立しました。そして、大仏の開眼を見届けるように、聖武天皇は崩御しました。遺愛の品々は東大寺に献納され、現在の正倉院宝物となっています。

 

【聖武天皇と平城京】

神亀元年(724)2月、平城京で聖武天皇は即位しました。平城京跡の発掘調査からは、聖武天皇の成長とともに、成熟していく宮殿の姿が明らかになっていています。

 

【木簡】

木簡とは、墨で文字が書かれた木片のことです。平城京の発掘調査では、たくさんの木簡がみつかります。木簡のおかげで、当時のことがリアルにわかってきました。

 

【どこで発見されたのか】

陳列されている木簡は、平城京朱雀門の東南から見つかりました。木簡には「大嘗分」「大嘗贄」といった文字や「神亀元年」の年号が書かれているため、聖武天皇の大嘗祭に関わる木簡であることがわかりました。

 

【大嘗祭】

大嘗祭とは、天皇が即位後、はじめておこなう新嘗祭(にいなめさい)のことです。新嘗祭とは、秋に天皇がその年に初めて収穫されたコメやアワなどの穀物を神に感謝してお供えし、天皇自らも食べて、五穀豊穣や国の安寧を祈る儀式です。

 


 

【開催概要】

 

開催場所:奈良国立博物館 なら仏像館

開催期間:10月22日(火)~11月11日(日)

開館時間:午前9時30分~午後5時

  ※正倉院展会期中(10月26日~11月11日)の月~木曜日は午前8時~午後6時、

   金・土・日・祝日は午前8時~午後8時

   入館は閉館の30分前まで

観覧料金:一般  700円、大学生  350円

  ※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳およびミライロID(スマートフォン向け障害   

   者手帳アプリ)をお持ちの方(介護者1名を含む)は観覧無料

  ※高校生以下および18歳未満の方と一緒に観覧される場合、子ども1名につき、同伴者2名まで一般100円引き、

   大学生50円引き

  ※この観覧料金で、特別陳列「東大寺伝来の伎楽面ー春日人万呂と基永師ー」(なら仏像館)・名品展「珠玉

   の仏たち」(なら仏像館)・「中国古代青銅器」(青銅器館)をあわせてご覧になれます。また、正倉院展

   の日時指定券でもご覧になれます。

主  催:奈良国立博物館・奈良文化財研究所

 

 

平城京跡資料館にて開催

奈良文化財研究所 秋季特別展 

「「聖武天皇が即位したとき。ー聖武天皇即位1300年記念ー

      10月22日(火)~12月8日(日)  入場無料