塩田千春(1972年生まれ)の出身地・大阪で、16年ぶりに開催する大規模な個展です。
現在ベルリンを拠点として国際的に活躍する塩田は、「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」。「存在とは何か」を問い続けています。無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」としてとらえ、それらを糸で編みこむことで「不在の中の存在」というテーマに向き合うものです。かたちのない、現実の不在である「記憶」を確かに存在するものとして可視化し、真実に触れようとしているのです。こうした「記憶」は自分以外のものとの「つながり」によって形成されています。本展覧会は、全世界的な感染症の蔓延を経験した私たちが、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】ー「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてアプローチしようというものswす。それぞれの要素はさまざまに作用し合いながら、わたしたちと周縁の存在をつないでいると考えます。
本展覧会では、インスタレーションを中心に絵画、ドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品を展覧し、塩田千春の創作をみつめます。「つながり」をテーマとして寄せられたメッセージを含むインスタレーション、その他の出品作品を通じて、たくさんのつながりに思いを巡らせていただく機会となることでしょう。
本展をご覧いただく皆さまに、「つながる私」との対話が生まれることを願うものです。
塩田千春
1972年、大阪府生まれ。ベルリン在住。2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2015年には、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表に選ばれる。2019年、森美術館にて過去最大規模の個展『魂がふるえる』を開催。2020年、第61回毎日芸術賞受賞。また、アーマンド・ハマー美術館(2023年)、クイーンズランド・アート・ギャラリー/ブリスベン近代美術館(2022年)、龍美術館(2021年)、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ(2020年)、南オーストラリア美術館(2018年)、ヨークシャー彫刻公園(2018年)、国立国際美術館(2008年)を含む世界各地の個展のほか、国際展などのグループ展にも多数参加。
【開催概要】
塩田千春「つながる私(アイ)Ⅰ to EYE」
会 場:大阪中之島美術館 5階展示室
会 期:2024年9月14日(土)~12月1日(日)
休 館 日:月曜日、9月17日(火)24日(火)、10月15日(火)11月5日(火)
※9月16日(月・祝)、23日(月・休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館
開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
観 覧 料:一般 2,000円(1,800円) 一般(平日) 1,800円 高大生 1,500円(1,300円)
※( )は20名以上の団体料金
※「当日・一般(平日券)」は、休館日を除く平日のみご利用いただけます。土・日・祝日・休日はご利用いただけません。
※中学生以下無料
※平日料金は一般のみ
主 催:大阪中之島美術館、MBSテレビ、朝日新聞社
協 賛:ダイキン工業、DNP大日本印刷、竹中工務店、ハマナカ、リーガロイヤルホテル(大阪)