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住吉大社 夏越の祓・例大祭

 

7月31日、住吉大社(大阪市住吉区)の例大祭、夏越の祓・茅の輪くぐりが行われました。

 

「例祭」は神社で1年のうち、最も重要な祭典です。住吉大社の例祭が「住吉祭」です。

「海の日」の神輿洗神事より始まって、毎年7月30・31日と8月1日にかけて3日間行われます。大阪中をお祓いする「お清め」の意義があることから、古来より地元の人々からは住吉祭を指して「おはらい」とも呼ばれてきました。日本人の伝統的な神道におけるもっとも中心である " お祓い " こそが住吉大社の本分です。

 

大阪府指定民俗文化財である「夏越祓神事」では、華麗に着飾った夏越女(なごしめ)、稚児らが茅の輪をくぐる儀式が行われます。

茅の輪くぐりは、正月から半年の罪・ケガレを祓い、残りの半年の無料息災を祈願する神事です。茅(ちがや)で作られた大きな輪が設けられ、茅の輪をくぐることで厄が落ち、身が清められます。

 

住吉大社では、五月殿で大祓式が行られたのち、参詣者も行列に参加して、茅草を1本取り、祓いながら3度の茅の輪をくぐり、本宮に参進します。茅の輪をくぐるときには「住吉の夏越の祓する人は千年(ちとせ)のよはひのぶといふなり」という和歌を口ずさみます。

 

 

住吉大社は、古くは摂津国の中でも、由緒が深く、信仰が篤い神社として「一之宮」という社格がつけられ、人々に親しまれてきました。昭和21年までは官幣大社であり、全国約2300社の住吉神社の総本宮でもあります。

 

 

住吉大社は祓いの神でもあります。住吉大神は伊邪那岐命の禊祓(みそぎはらい)の際に海中より出現されたので、神道でもっとも大事な「祓(はらえ)」を司る神です。住吉大社の夏祭り「住吉祭」が単に「おはらい」と呼ばれ、大阪はもとより摂津国・河内国・和泉国、ひいては日本中をお祓いする意義があるほど古くより、「祓の神」として篤い崇敬を受けてきました。

 

 

住吉踊

 

伝承によれば、神功皇后が無事に堺の浜に上陸された際、祝福と歓迎のため住民が踊った舞に由来するといわれます。

中世以降、当社にあった神宮寺の僧や願人坊主(大道芸人)が「天下泰平・五穀豊穣」を祈って諸国を歩き広めていったものと考えられます。

独特の衣装に身を包み、教導師と呼ばれる踊の先生が、中央の傘の柄をたたき拍子をとりながら謡い、音頭に合わせて童女たちが「心」の字を書くように飛び跳ね、団扇を打ちながら踊ります。