建仁寺法堂 大天井の《双龍図》を描いた日本画家・小泉淳作の代表作を一堂に展示
「生誕100年記念 小泉淳作展」
2024年7月20日(土)~9月23日(月・祝)
暴れ出すような龍。「双龍図」(京都・建仁寺)や「雲龍図」(鎌倉・建長寺)で知られる孤高の日本画家、小泉淳作(1924‐2012)。生誕100年を2024年10月に迎えるのを記念し、この度、ゆかりのある京都・建仁寺で回顧展を開催されます。
小泉淳作(1924~2012)は、京都・建仁寺法堂(はっとう)大天井の《双龍図》をはじめ、鎌倉・建長寺の法堂天井画、奈良・東大寺本坊の襖絵の制作などで知られる日本画家です。
開会式では、小泉淳作の十三回忌法要が厳修されました。
本展は、小泉淳作の生誕100年を記念し、東大寺本坊襖絵「蓮池」や「しだれ桜」、天井画関連の作品の他、日本の山や中国の連山を取材した深遠な山水画、細密に描いた花や野菜、果物の静物画など、豊かな質感とゆるぎない存在感で独自の画風を確立した画伯の代表作を揃え、約70年の画業を展観します。
生活のためにデザインの仕事をしながら、試行錯誤を続けた初期の作品。40代半ばの唐・宋画との衝撃的出会いを経て、日本の山や中国の連山を取材し生まれた深遠な山水画。
描く対象を凝視し、徹底した写実から生まれた「小泉ワールド」の真骨頂ともいえる花や野菜、果物の静物画。命を削るようにして描き上げた奈良・東大寺本坊の襖絵など晩年の力作群まで、約70年に及ぶ創作一途の画業をぜひご観覧ください。
小泉淳作は晩年、鎌倉・建長寺の法堂天井画「雲龍図」を手始めにお寺に奉納する大作を手がけました。
京都・建仁寺の法堂天井画「双龍図」は畳百八畳分の大きさを誇り、迫力は圧巻です。東大寺の襖絵「蓮池」「しだれ桜」はがんや腰痛と闘いながらも一筆入魂の思いで描きあげました。
建仁寺本坊 展覧会の様子
建仁寺塔頭・禅居庵の様子
小泉淳作は東京美術学校(現東京芸術大学)で山本丘人に師事しました。「顔」などの初期作品は、ジョルジュ・ルオーやベルナール・ビュフェなどの影響を受けた重厚な作風です。売れなくても自分が納得できる絵を試行錯誤し、デザインの仕事で生計を立てる日々でした。
1960年代末から風景画の模索を始めた小泉淳作は、中国の唐・宋画に出会い心酔するようになります。全国各地の山を行脚し写実を突き詰め、自然に気をとらえるような作品に結実しました。
水墨山水画へと向かう一方、中国の宋・元時代の花卉図にも魅せられ、晩年までの花や野菜の作品を発表し続けます。対象の内実に迫る描写スタイルを創り出し、存在の神秘を探求。還暦を過ぎてようやく絵が売れ始め、「遅咲きの日本画家」として注目を浴びました。
【開催概要】
展覧会名:生誕100年記念 小泉淳作展
会 期:2024年7月20日(土)~9月23日(月・祝) 10:00~17:00(受付は16:30修了)
会 場:京都・建仁寺(京都市東山区大和大路」四条下る小松町)
京都・禅居庵(臨済宗建仁寺塔頭)
※本展覧会の観覧には建仁寺の拝観料(一般800円、小中高500円)が必要となります
WEBサイト:https://art.nikkei.com/koizumi/
主 催:大本山建仁寺、日本経済新聞社
特別協力:大本山東大寺
企画協力:一番星画廊、ギャラリー空の間
協 賛:関彰商事、ダイキン工業、横河電機
協 力:アルカ、岡村印刷工業、Studio Sawna、大光電機、東海旅客鉄道
監 修:野地耕一郎(泉屋博古館東京館長)
一般お問い合わせ先:「生誕100年記念 小泉淳作展」事務局 koizumi2024@nex.nikkei.co.jp