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世界遺産 二条城 夏の特別事業 国宝 二の丸御殿「式台の間」特別入室 7月24日より

 

 今夏、世界遺産  二条城では、歴史や文化の魅力を発信するため、国宝二の丸御殿の特別入室、原画公開などの「夏の特別事業」を実施するのに先立ち、記者内覧会へ取材してきました。

 通常は、廊下からしか観覧できない二の丸御殿ですが、今回、「式台の間」に特別入室できることによって、障壁画(模写)や天井画を間近で観覧でき、また違った様相の、かつての雰囲気が味わえると感じました。

 

 式台の間は、〈遠侍(とおざむらい)〉に控えていた昇殿者が、〈大広間〉での将軍との謁見に向けて、老中に取次ぎを求めた場所と言われています。〈遠侍〉と〈大広間〉を繋ぐ位置に相応しく、壁面には〈大広間〉と同様に巨大な《松図》が描かれる一方で、長押の飾金具は、〈遠侍〉と同じ両端を紐で括った袋の形をした《括袋型釘隠し》です。金具の中央は三重になっており、三つ葉葵紋が中央と左右に大きく配されています。天井画は、中央に向かい合う二羽の孔雀、その周囲に唐草を描いたものです。

 

式台の間
式台の間
括袋型釘隠し
括袋型釘隠し
天井画《金地牡丹唐草向い孔雀文様》
天井画《金地牡丹唐草向い孔雀文様》

 

 徳川幕府の終焉によって、二条城は新政府に引き渡されました。その後、陸軍や京都府の施設として使用された後、明治17年(1884)に、皇室の別邸である二条離宮になり、宮内庁の管轄下に入りました。翌年から大規模な修理が始まり、二の丸御殿も皇室の離宮の宮殿として、それに相応しい内装へと整えられていきました。

 式台の間と廊下との境に嵌る腰障子には、《花鳥図》が描かれていますが、これらは、明治17年(1884)、二条城が離宮になった直後に行われた城内の大修理の際に持ち込まれた障壁画を再利用したもので、寛永3年(1626)に制作された障壁画は離宮になる頃には失われていたので再利用する形で修理が行われました。残念ながら《花鳥図》が、いつ、どの建物のために描かれた障壁画なのかは明らかになっていませんが、引手の痕跡や紙継ぎを頼りに元の画面を再構成すると、襖などに描かれた春と秋の花鳥図であったことが判明します。しかも、一続きの画面であったものが、〈遠侍〉芙蓉の間や〈黒書院〉帳台の間の壁画にも再利用されていることが分かりました。

 

『二条城障壁画展示収蔵館』にて展示

 

〈式台〉式台の間《花鳥図》(部分)
〈式台〉式台の間《花鳥図》(部分)
〈式台〉式台の間《花鳥図》(部分)
〈式台〉式台の間《花鳥図》(部分)

《松図》寛永3年(1626)
《松図》寛永3年(1626)
『二条城障壁画展示収蔵館』にて展示
『二条城障壁画展示収蔵館』にて展示

 

【開催概要】

 

《式台の間》特別入室

会  期:2024年7月24日(水)~8月26日(月)

入館時間:午前8時45分~午後4時10分(入城は午後4時まで)

  ※火曜日は二の丸御殿観覧休止日のため観覧できません。

料金(入城+二の丸御殿観覧)

  一般個人:1,300円(800円)

  一般団体:1,100円(700円)

  中高生:400円(400円)

  小学生:300円(300円)

  ※( )は7,8月の火曜日

 

《二条城障壁画 展示収蔵館》

会  期:2024年7月18日(木)~9月15日(日)[60日間]

入館時間:午前9時~午後4時30分(閉館は午後4時45分)

  ※二条城の入城受付は、午後4時まで

会  場:元離宮二条城内 二条城障壁画 展示収蔵館

入  場  料:100円(未就学児無料)

  ※別途入城料が必要

  ※市内に在住・在学の小中学生、市内在住の70歳以上の方(敬老乗車証等で住所、年齢を確認できる方)、

   各種障害者手帳等をお持ちの方の入館は、不要です。

 

 

【学芸員による障壁画解説会】

日  時:2024年7月26日(金)、8月23日(金)

     【1部】午前10時~午前11時

     【2部】午後2時~午後3時

場  所:大休憩所北側  レクチャールーム

定  員:各回30名(事前申込制、多数抽選)

     ※当選者のみ郵送にて5日前までにお知らせします。

参  加  費:無料(別途入城料が必要)

申込方法:京都いつでもコールに電話、FAX、メールのいずれかで申込

     〇参加希望日・時間帯(複数参加不可 )

     〇参加者全員の氏名・ふりがな(1回につき3名まで申込可)

     〇代表者の住所・郵便番号・電話番号を明記

申込期間:両日とも申込開始6月18日(火)、申込締切日7月8日(月)

 

   京都いつでもコール(年中無休)

     電話:075‐661‐3755

        電話での受付時間午前8時~午後9時

        ※おかけ間違いにご注意ください

     FAX:075‐661‐5855

     メール:以下の送信フォームをご利用ください。

         https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000012821.html

 


 

非公開「香雲亭」で愉しむ朝食

京のゆば粥御膳

 

二条城・清流園内にある非公開の「香雲亭」でお召し上がりいただける朝食、「京のゆば粥御膳」をご用意。

今回は「朝廷と徳川家の料理」の関係に注目。朝廷に献上された京都の夏の風物詩である鱧や賀茂茄子、鮎。京都で有名な「ゆば」が日光に伝わった所以や、徳川家康が出陣の際に好んだ食材等、料理を通して歴史も感じることができる内容になっています。「京料理いそべ」ならではの、自家製汲み上げゆばと洗練された季節の京料理を、夏の清流園の素晴らしい景色を眺めながらご堪能ください。

 

京のゆば粥御膳と季節の逸品 ※季節の逸品:鱧おとし(7/15~7/31)
京のゆば粥御膳と季節の逸品 ※季節の逸品:鱧おとし(7/15~7/31)
賀茂茄子しぎ焼き(8/1~8/15)
賀茂茄子しぎ焼き(8/1~8/15)
萩豆腐と鱧の吸物(9/1~9/15)
萩豆腐と鱧の吸物(9/1~9/15)
鮎の竜田揚げ(8/16~8/31)
鮎の竜田揚げ(8/16~8/31)
鮑と勝栗の茶碗蒸し(9/16~9/30)
鮑と勝栗の茶碗蒸し(9/16~9/30)

<御献立>

取肴一式、季節の逸品、ゆば粥、香物

 ※季節の逸品は時期ごとに内容が変わります。

 ※アレルギー等がある方は予約時にお知らせください。

 ※写真は全てイメージです。

 ※時期により献立内容を変更する場合があります。

 

期間:7月15日(月・祝)~9月30日(月)

時間:9:15~10:15 ※当日は9:10までに香雲亭へお越しください

料金:お1人様  4,200円(税込) 1日限定40名様

・別途入城料が必要です。

・予約状況によりご相席となります。

・現金のみのお支払いとなりますのでご了承ください。

・前日15時までの完全予約制です。

・キャンセルは3日前までにお申し出ください。

 

ご予約

「京料理いそべ」内 10:00~15:00

℡:075-551-1203