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神戸どうぶつ王国 10周年「カピバラたちの湿原~Pantanal~」公開

 

今年10周年を迎える神戸どうぶつ王国で、4月26日、カピバラの真の姿に出会える新エリア『カピバラたちの湿原~Pantanal~』が公開されました。

このエリアは世界最大の湿地帯・南米・ブラジル、パラグアイ、ボリビアにまたがる「パンタナール湿原」を思わせる景色が広がっています。カピバラはブラジルやアルゼンチンなどで、川辺にある開けた草原から熱帯雨林などの様々な環境に生息している野生動物です。展示場の大きな特徴は、檻や柵がなく、カピバラたちが自由に過ごせるようになっています。奥には滝が流れ込み、池で過ごす姿や、時に泳ぐ姿も垣間見れます。樹木等も、水質改善の一翼も担うヨシ(イネ科)などの抽水植物や常緑樹が植えられています。実際に生息している環境で暮らすカピバラたちの様子をぜひご覧になってください。

 

 

 

カピバラの意外な生態

よく「カピバラ温泉」に入っているイメージがありますが、温泉に入っているわけではないのです。野生などでも排泄のために水に浸り、水中で排泄することによって天敵のジャガーなどの肉食動物から見つかりにくくするという、彼らが生きるために進化の過程で得た能力です。またトイレとしての用途だけでなく、交尾も水中で行われていて、泳ぎも得意で5分以上潜ることが出来ます。種類は齧歯目で最大の大きさです。

 

カピバラ担当飼育員:砂町菜月さんのコメント

「カピバラたちの湿原~Pantanal~」は、カピバラたちが暮らす生息地のひとつで、パンタナールを再現した展示場であり、池と生い茂った様々な植物が魅力です。Pantanal(パンタナール)とは、南米にある世界最大の湿原で、日本の本州と同じくらいの大きさがあります。のんびりしたイメージのカピバラですが、泳ぎが得意で、身体の作りも水辺での暮らしに適しており、指の間には水掻きもあります。陸上でも見た目とは裏腹に素早く動くことができ、短時間ですが時速 50 ㎞で走ることもできます。他にもまだまだたくさんあるカピバラの魅力を、柵や檻のない同じ空間で是非探してみて下さい。また、「野生動物の楽園」と呼ばれるほど美しい大自然が広がるパンタナールでは、近年環境破壊が進んでいます。カピバラたちの魅力だけではなく、彼らが暮らす生息地の素晴らしさや問題にまで、少しでも関心を寄せて頂ければと思います。